2013年3月29日金曜日

【シングル】環境分析 Ⅲ

 先日のエースさん、くーるじーさん、響さんなどのTwitterでのやりとりを見て、それに便乗した形でこの記事を書きました。
そのTwitterでの議論テーマは「対面構築の定義と名称」でしたが、私はその議論を拡張し、過去の環境分析などの記事で取り上げたテーマを踏まえた上で話を進めることにします。


最初に、今から議論するテーマ自体の意義について考えます。

これから扱うテーマはポケモンの対戦ルールシングル63での「PT構築の分類」であり、PTを構築と呼ぶ以上PTのコンセプトとそれぞれのポケモンの採用理由や型、仮想敵への対策、その対策を切る理由などが明確に説明できなければなりません。そうした事前の準備段階での理論に沿って組まれたPTが構築であるとします。
そのPT構築の種類は当然ポケモンの組み合わせや型の数だけ存在することになり、昨今の対戦環境ではPT構築群の分類が自然と生まれ、その名称が氾濫しておりその定義も個々人の解釈によって異なっているのが現状です。そうした中で現在は、PT構築群の分類を体系的にまとめて定義を明確にし個々人の解釈に齟齬が生まれることを防ごうとする動きがあります。しかし、そこで問題が生じます。PT構築の分類で名称を定義することは、その名称の由来となった各個人の権威付けに繋がり、所謂「起源主張」と揶揄されて論争が絶えず分類が進展しないことがこれまでの流れでした。
そこで私は分類上の名称は1つに定める必要は無いと考えました。つまり、各個人が同じPT構築を想起出来る共通認識の方を取り扱えば名称が複数あるとしても意味が同等であるなら対戦考察での会話に齟齬は生まれにくいでしょう。(ここで名称とその意味を意図的に乱立させる荒らし行為についての問題は論外とします。)
また、しばしば取り上げられる議論テーマとして「PT構築の分類に意義はあるのか」というものがあります。それは「PT構築がそもそも分類出来るものであるのか」という問いと「分類が必要であるのか」という問いがあり、前者については各プレーヤー達が同じPTまたはそれに似たPTを使うという状況がであるため共通認識が自然と生まれ、分類が出来ます。後者については各プレーヤー同士の会話を円滑にするためという回答と響さんの言葉をお借りし、
響@Σ,,゜◇゜,,<@hibiki_mikage 3:25 「理解する」ということは,分類できて,名前をつけることができて,予測することができる ということである。
とあるように、PT構築群の分類は各プレーヤーの理解を助け、そのPT構築に対してメタ張る際に思考をよりコンパクトでスマート にします。つまりポケモン対戦に限った話ではなく、物事を体系的に分類することはそれを理解して応用するために必要なことでもあります。
そのため、PT構築群の分類は対戦考察をするプレーヤー達とは切り離せないものであることが分かります。

上記の事項を踏まえた上で、実際にPT構築群を分類しみましょう。

まず初めに、私は役割理論を前提とした上で数あるPT群を勝ち筋のコンセプト別に分類することにしました。
『受けループ』
BW期から、進化の輝石ラッキーとポイズンヒールグライオン、ゴツゴツメットエアームドの存在で「潰し」を放棄して「受け」と「流し」のみの数値的ロジックのサイクルのみで勝ち筋を得るコンセプトのPTが広く使われるようになりました。そのPT構築群は広く『受けループ』と呼ばれています。この受けループの存在が後々に剣の舞などの積み技やキノコの胞子など状態異常を幅広く採用したダメージ数値外での「潰し」と1:1交換以上のアドバンテージを得る「崩し」主体のPTが数多く生まれた切っ掛けになったと私は考えています。
そして、『受けループ』の定義を上記の「潰し」を放棄して「受け」と「流し」のみの数値的ロジックのサイクルのみで勝ち筋を得るコンセプトのPTとします。
この定義の方法は、ポケモンの種族を指定せずにPTのコンセプトのみで定義する方法であり、くーるじーさんや響さんの言葉をお借りすれば『広義的な受けループ』と言えるのではないでしょうか。
そしてこの定義通りにPT構築を組むと自然に上記の3体が入ります。そして残りの3体に全て自己回復ソースを採用した場合は@コさんなどが提唱する『純正受けループ』となります。しかし、実際は受けループを崩す手段も確立されており残りの3体を、相手の崩しに対するメタに回したりグライオンを抜いた受けループも存在します。よって、この段階で受けループの分類を行うと下記のようになるのではないでしょうか。


受けループ
└─「潰し」を放棄して「受け」と「流し」のみで勝ち筋を得る ── 広義的な受けループ
└─ラッキーグライオンエアームド構成を採用 ──────── 狭義的な受けループ
    └─PT構成体全てに自己回復ソースを付与 ─────── 純正受けループ

受けループの定義には諸説あり、明確な定義と詳細な分類についての議論は読者に任せることにします。


上記の受けループ分類のように、分類を行うときに私はポケモンの構成を指定せずに、まずPTコンセプトの分類から始めています。そのときには「広義的な」という言葉を使いポケモンの構成を指定した「狭義的な」カテゴリと区別します。

こういった方法で現行環境でメジャーなPT構築群を分類してみましょう。

今のPT構築群を分類すると、ⅰ上記の受けループ、ⅱ積みや状態異常などのロジックで崩しを主体とするPT群、ⅲ潰しを行い役割理論的なダメージレースで勝ち筋を得るPT群の大きく3つのカテゴリに分類できるのではないでしょうか。
そして、私は仮設的にⅱとⅲにそれぞれ「崩しロジック」、「スタンダード」と名称を付けておきます。『スタンダード』という言葉を選んだ理由は役割理論的なサイクル戦がポケモン対戦の黎明期から始まった最も基本的なプレイスタイルであると考えたからです。(もちろん、仮設的に与えた名称であるため後の議論で変わっても意味が同じであるなら問題はありません。)
実際にはⅰ以外のPT構築群はⅱとⅲの要素が混ざり合ったPT構築になるでしょう。その場合は次に示す通りポケモンの構成を指定して分類していきます。

『天候軸』
 上のアイコンの5体は特性でそれぞれ天候を変えることが出来、その天候とのシナジーを活かしたPT構築群が大きなカテゴリとして存在します。有名なものでは、カバドリ、バンガブ、バンドリ、ニョログドラ、キョウクレ、ユキトドなどが挙げられます。その中でカバドリを例に分類してみましょう。


『カバドリ』
 BW初期に対戦環境を席巻したPT構築群です。現在カバドリ構築の基本となっている構成はカバルドン、ドリュウズ、ラティオス、ハッサム、ナットレイ、ウルガモス、キノガッサ、カイリュー、スイクン、ブルンゲルの中からカバルドンとドリュウズを確定して残り4体を選択した形になります。それはカバルドンで砂天候を取り、ドリュウズのSを上げつつステルスロックやゴツゴツメットで定数ダメージを稼ぎながら欠伸でドリュウズの積みの起点を作ってドリュウズで崩すというプレイスタイルが一般的です。
  よってこのPT構築群は「崩しロジック」に分類される訳ですが、一般的な構成ではラティオスとハッサムのサイクルでダメージレース行う要素も含まれているためⅱとⅲの混合カテゴリと分類出来ます。
しかし、このPTにラッキーを採用した場合はカバルドンの回復も伴ってⅰの立ち回りが可能になります。そのため、カバドリだけでもⅰとⅱとⅲ全てに分類されるPT構築が存在することになります。
そういった理由から、ポケモンの構成を指定した分類ではそれぞれのポケモンの構成だけで分類するだけでは不十分であり、PT構築の詳細を多角的に検討しながら分類する必要があるのではないでしょうか。

そして、その構成に囚われない分類が必要となった切っ掛けとして、対面構築の変遷があります。


『対面構築』
 BW後期から環境のトップメタとなったPT構築群です。
 その強さは環境分析Ⅱで説明した通り、シングル63対戦の崩しロジックの基礎であり積みサイクル(最近は積みリレーという名称でも呼ばれています。)の崩し要素やスタンダードの構成も採用することで机上論上では第五世代のグッドスタッフと呼ぶに相応しいほどの強さを誇ります。
 しかし、そのプレイスタイルは過去と現在では異なっています。BW後期に流行ったボルトチェンジと蜻蛉返りでダメージを与えつつ、常に有利対面を作りながらサイクル戦で勝ち筋を得るスタンダード的な対面構築と現在のBW2期にメジャーとなったボルトロスなどの個々の対面性能を活かしながら1:1交換以上のアドバンテージを狙う積みサイクル的崩しから勝ち筋を得る対面構築の違いです。
 先日のTwitterでは、エースさん、くーるじーさん、響さんそれぞれの意見で対面構築をどう分類するかが議論されました。(私のTwitterのお気に入りにまとめてあります。)
 私は対面構築が初期だとエースさんのようにボルトチェンジと蜻蛉返りでサイクルを回すという定義で説明出来るのに対し、今の対面構築を構成だけで呼ぶと一種の「偽装積みサイクル」という呼び方をしなければなりません。
 そこで私はどちらも純正の対面構築であると認識した上で、それぞれに接頭語をつける分類を提示します。つまり、先述の大局的なカテゴリを使って『スタンダード対面構築』と『崩しロジック対面構築』と分岐させる案です。


 以上から、シングル63対戦のPT構築群分類ではポケモン構成だけで分類すると「偽装」という言葉を使う必要が出てきます。そして意図的に偽装したPT構築との違いで更に問題を複雑化させるためプレイスタイルからのPTコンセプト主体のラベルとポケモン構成での定義ラベルとを別々に用意すれば、よりPT構築の理解が捗ると考えられます。


2013年3月28日木曜日

【シングル】カバドリ Ⅰ:修正版

カバドリⅠのままでも十分強かったのですが、対ミラーなどで改善案が出来たので修正版を公開します。
このカバドリが現環境でのらみるーカバドリで私の出せる一つの完成形だと思いました。




 種族名 性格 持ち物 技1 技2 技3 技4 特性
 カバルドン 腕白 ゴツゴツメット 地震 欠伸 ステルスロック 吹き飛ばし 砂起こし
 ドリュウズ 意地っ張り 命の珠 地震 アイアンヘッド 岩雪崩 剣の舞 砂かき
 ラティオス 臆病 拘り眼鏡 流星群 竜の波動 波乗り トリック 浮遊
 ハッサム 意地っ張り オッカの実 バレットパンチ 蜻蛉返り ダブルアタック 寝言 テクニシャン
 キノガッサ 意地っ張り 気合の襷 マッハパンチ タネマシンガン ストーンエッジ キノコの胞子 テクニシャン
 スイクン 控えめ カゴのみ ハイドロポンプ 冷凍ビーム 瞑想 眠る プレッシャー


◯個別詳細

■カバルドン@ゴツゴツメット
性格 :わんぱく
実数値:215-132-158-*-119-67
技  :じしん/あくび/ステルスロック/ふきとばし

調整をラティオスの流星群耐えに変更。マンムーの氷柱針をちょうど5発耐え。
Dに振ったことで起点用カバとしての運用がしやすくなる。


■ドリュウズ@いのちのたま
性格 :いじっぱり
実数値:189-205-90-*-86-127
技  :じしん/アイアンヘッド/いわなだれ/つるぎのまい

こちらも変更点無し。強いて言えば、Aをもう少し減らしてBを上げてもいいかもしれない。
具体的には珠鉄拳ブシンのマッハパンチのダメージ乱数が変わるなど。


■ラティオス@こだわりメガネ
性格 :おくびょう
実数値:155-*-100-182-131-178
技  :りゅうせいぐん/りゅうのはどう/なみのり/トリック

草結びでも良かったのだが、ミラー意識でカバとドリュウズに強い一貫を取らせたかったのと対ヒードラン、グライオン意識で波乗りに戻した。
草結びがなくなると対バンギ、ヌオーの処理択が減るため、トリックを草結びに変えてみるのも一考の価値あり。


■ハッサム@オッカのみ
性格 :いじっぱり
実数値:169-198-120-*-111-85
技  :バレットパンチ/とんぼがえり/ダブルアタック/ねごと

対ミラーのラティオスや対ノオースタンなどでハッサムを安定して展開するためにオッカ持ちに変更。
耐久調整はラティオスの眼鏡流星群1.5発を乱数1つ切って耐え調整で、A198でもH155B104ガッサの身代わりは確定破壊出来るためオッカの場合はこの調整が理想か。


■キノガッサ@きあいのタスキ
性格 :いじっぱり
実数値:135-200-101-*-80-122
技  :マッハパンチ/タネマシンガン/ストーンエッジ/キノコのほうし

ガッサ対策が当たり前となっている対戦環境での使用を想定して、より汎用性の高い襷ガッサを採用。
これで対雨や対ウルガモスなどで更に動きやすくなった。


■スイクン@カゴのみ
性格 :ひかえめ
実数値:191-*-137-156-138-118
技  :ハイドロポンプ/れいとうビーム/めいそう/ねむる

対ニョロトノや対珠ハッサムを意識してSを準速ハッサム抜きに回した。

2013年3月25日月曜日

【シングル】カバドリ Ⅰ

3/24の第22回キツネの社奉納祭に参加しました。
結果を先に言いますと、54人規模のニコ生大会で7人ブロックの予選を抜けて決勝トーナメントでは2回戦落ちのベスト8でした。
そのときに使用したカバドリ構築を公開します。

構成は所謂「らみるーカバドリ」と言われる並びを採用しており、それぞれ自分なりにチューニングしています。



 種族名 性格 持ち物 技1 技2 技3 技4 特性
 カバルドン 腕白 ゴツゴツメット 地震 欠伸 ステルスロック 吹き飛ばし 砂起こし
 ドリュウズ 意地っ張り 命の珠 地震 アイアンヘッド 岩雪崩 剣の舞 砂かき
 ラティオス 臆病 拘り眼鏡 流星群 竜の波動 草結び トリック 浮遊
 ハッサム 意地っ張り オボンの実 バレットパンチ 蜻蛉返り ダブルアタック 寝言 テクニシャン
 キノガッサ 陽気 毒毒玉 気合パンチ マッハパンチ 身代わり キノコの胞子 ポイズンヒール
 スイクン 控えめ カゴのみ ハイドロポンプ 冷凍ビーム 瞑想 眠る プレッシャー


◯個別詳細

■カバルドン@ゴツゴツメット
性格 :わんぱく
実数値:215-132-187-*-93-67
技  :じしん/あくび/ステルスロック/ふきとばし

定数ダメージのHP削り要因。
対ウルガモスの回答を持たせるために吹き飛ばしとステルスロックは必要であったのと、本来のカバドリの動きとしてステルスロック+欠伸ループも使いたかったため怠けるのないHBゴツメカバという結論に至っています。
このカバの切って捨てるタイミングを間違わなければ一番使い勝手の良いカバでした。


■ドリュウズ@いのちのたま
性格 :いじっぱり
実数値:189-205-89-*-86-127
技  :じしん/アイアンヘッド/いわなだれ/つるぎのまい

珠A161パルシェンの氷柱針耐え、1/16ダメ+A200テクガッサのマッパ耐え、S169スカーフガブ抜き。
カバがHBであるのとキノガッサがいるため、対カバドリミラーなどは意識せずドリュウズの攻撃性能を第一に高めたチューニング。
ボルトロスが岩雪崩で1発であるのと、ステルスロックで削れたH振りクレセリアなども剣舞ヘッドで1発圏内などが魅力。
珠地震は舞わなくても少し削れたスイクンなどを落とせるため保守的なドリュウズの動かし方が出来たように思います。


■ラティオス@こだわりメガネ
性格 :おくびょう
実数値:155-*-100-182-131-178
技  :りゅうせいぐん/りゅうのはどう/くさむすび/トリック

普通なら波乗りである枠を草結びとした。
理由は、カバドリに鉢巻バンギを選出する立ち回りがBW期よりも増えたため瞑想スイクンやカバルドンなどもまとめて処理できる草結びの方がこのカバドリに合っていると考えたため。
このラティオスがPTの主軸です。


■ハッサム@オボンのみ
性格 :いじっぱり
実数値:177-200-120-*-100-86
技  :バレットパンチ/とんぼがえり/ダブルアタック/ねごと

ダブルアタックの1発分でH155B104ガッサの身代わりを確定破壊。
対ボルトロス、キノガッサを意識してダブルアタックを採用。これのお陰でキノガッサには嵌められない。
HA調整を維持しつつガブリアスの地震2発耐えと眼鏡ラティオスの流星群1.5発耐えを両立したかったのがオボンである理由です。
私はこのハッサムが非常に美しいガッサ対策に思えてなりません。


■キノガッサ@どくどくだま
性格 :ようき
実数値:137-181-100-*-80-134
技  :きあいパンチ/マッハパンチ/みがわり/キノコのほうし

砂天候では砂ダメを稼ぎながら胞子身代わりループが使えるためローキックは必要ない。
対ミラーなどを意識してマッハパンチを採用し、ガッサ対面で引きたくなかったので最速AS。


■スイクン@カゴのみ
性格 :ひかえめ
実数値:207-*-135-156-136-105
技  :ハイドロポンプ/れいとうビーム/めいそう/ねむる

対雨を意識した有名な控えめHC。
パルシェンに後出ししてハイポンで削るなどの動きにも使います。




2013年3月15日金曜日

【シングル】バンドリ Ⅴ

今回のバンドリは比較的堅実な構成で組みました。
ボルトガブパルガッサが流行中の現環境に対応した最新版です。




 種族名 性格 持ち物 技1 技2 技3 技4 特性
 バンギラス 意地っ張り 拘り鉢巻 追い打ち 噛み砕く ストーンエッジ 瓦割り 砂起こし
 ドリュウズ 陽気 風船 地震 アイアンヘッド 身代り 剣の舞 砂かき
 ラティオス 臆病 拘り眼鏡 流星群 草結び トリック 置き土産 浮遊
 ハッサム 意地っ張り 鋼のジュエル バレットパンチ 蜻蛉返り 馬鹿力 剣の舞 テクニシャン
 ボルトロス 臆病 ゴツゴツメット 10万ボルト めざめるパワー(氷) 電磁波 挑発 悪戯心
 スイクン 臆病 命の珠 ハイドロポンプ 冷凍ビーム 目覚めるパワー(炎) 瞑想 プレッシャー


○個別詳細

■バンギラス@拘り鉢巻
性格 :意地っ張り
実数値:201-192-131-*-123-96
おいうち/かみくだく/ストーンエッジ/かわらわり

■ドリュウズ@風船
性格 :陽気
実数値:185-187-81-*-85-154
じしん/アイアンヘッド/みがわり/つるぎのまい

■ラティオス@拘り眼鏡
性格 :臆病
実数値:155-*-100-182-131-178
りゅうせいぐん/くさむすび/トリック/おきみやげ

■ハッサム@鋼のジュエル
性格 :意地っ張り
実数値:169-198-120-*-111-85
バレットパンチ/とんぼがえり/ばかぢから/つるぎのまい

■ボルトロス@ゴツゴツメット
性格 :臆病
実数値:169-*-96-157-100-179
10まんボルト/めざめるパワー(氷)/でんじは/ちょうはつ

■スイクン@命の珠
性格 :臆病
実数値:175-*-138-141-135-148
ハイドロポンプ/れいとうビーム/めざめるパワー(炎)/めいそう


○個別解説

■バンギラス
突破性:
・H155B90ボルトロスを噛み砕く+砂ダメで高乱数1発(15/16)
・H207B156スイクンまでストーンエッジで確定2発
・H181B160ナットレイに瓦割りで(56.4%~67.4%),鈍いを積まれると急所込み66%の確率で2発
耐久性:
・A200ガブリアスの地震を高乱数耐え(2/16)
・C182ラティオスの眼鏡流星群1.5発を急所込み外し込み77%の確率で耐える
・C142スイクンのジュエルハイドロポンプ+神速を確定耐え
サイクル戦での受けと突破を兼ねるこのPTの主力です。
技構成は鉢巻バンギラスのテンプレ構成である、追い打ち/噛み砕く/ストーンエッジ/馬鹿力の馬鹿力を壁PT意識で瓦割りに変えています。そのため、ヒードランや後出しキノガッサなどの処理が若干難しくなりましたが、その分壁PTの処理の難易度を下げて勝率を上げる方針を採りました。
調整については、後述のスイクンが零度を持っていないこととラティオスがC142スイクンのジュエルハイドロポンプ+冷凍ビーム+神速で落ちるため、後出ししても配布HCスイクンを突破できないことからS96を最低限確保することから始めました。すると、鉢巻バンギラスとして必要な火力ラインであるA192を確保しながらガブリアスの地震耐え、眼鏡キングドラのハイドロポンプ耐えを両立されません。そこで眼鏡キングドラのハイドロポンプ耐えは諦め、雨選出の処理を後述のスイクンやボルトロスを用いて解決することでD調整を眼鏡ラティオスの流星群1.5発耐えまでに抑えました。また、このバンギラスはS90を超えているため受けループなどのエアームド処理にも起用できます。

■ドリュウズ
突破性:
・H183B115ガブリアスを地震で確定2発
・H175B120ハッサムを地震で確定2発
・H167B102ラティオスをアイアンヘッドで確定2発
・H155B90ボルトロスにアイアンヘッドで(30.3%~36.1%)
・H167B116カイリューにマルチスケイルでない状態でアイアンヘッドが(44.9%~52.7%)
耐久性:
・C182ラティオスの-2眼鏡流星群が(34.1%~40.5%)
・A200ハッサムの鉢巻バレットパンチが(34.1%~40.0%)
・C142スイクンの+1冷凍ビームが(48.6%~57.3%)
・A182ガブリアスのジュエル逆鱗が(61.6%~72.4%)
・A204カイリューの神速が(20.5%~24.3%)
・A182キノガッサの+1マッハパンチが(82.2%~98.4%)
・C177ボルトロスのめざめるパワー(氷)が(30.3%~35.7%)
このドリュウズはカバのドリュウズとは違い、起点から積むよりもサイクル戦の中で後出ししながら相手に負荷を与えるポケモンという位置付けです。そのためこのドリュウズが落ちたら負けるような起点ポケモン的な立ち回りは控えたほうがいいでしょう。ですが、もちろんドリュウズが重いPTなどには積極的に起点からの全抜きも図るため後述のラティオスを起点作りに使えるよう構築しています。
技構成は地震アイアンヘッド剣の舞までは確定で残りの枠に岩雪崩や身代わり、燕返し、砂嵐、ステルスロックなどの候補が上がります。このPTでは風船を活かしてドリュウズを後出しから有利対面を作ります。そのため身代わりでアドが取れる場面が多いため身代わりを採用しました。
このドリュウズは対カバドリでも積極的に選出して相手のドリュウズの処理に使います。

■ラティオス
突破性:
・H167D120マルチスケイルカイリューを流星群で確定1発
・H167D120マルチスケイルカイリューにC-2流星群で(53.9%~63.5%)
・H175D109ハッサムをゴツメダメ+流星群1.5発で確定
・H207D136,D+1スイクンを草結びで乱数2発(95.88%)
・H207D167バンギラスを草結びで乱数2発(89.01%)
・H215D119カバルドンを草結びで乱数1発(13/16)
耐久性:
・A211ローブシンの鉄の拳珠ドレインパンチが(45.2%~52.9%)
・C156スイクンのC+1冷凍ビームが(82.6%~98.1%)
・A96C142スイクンのジュエルハイドロポンプが(34.8%~41.9%)
・同冷凍ビームが(50.3%~60.6%),同神速が(18.7%~22.6%)
・C161キングドラの雨眼鏡ハイドロポンプが(60.0%~71.6%)
・A204カイリューの神速が(40.0%~47.1%)
・A200ハッサムの鉢巻バレットパンチが(65.8%~78.1%)
・C177ボルトロスのめざめるパワー(氷)が(46.5%~55.5%)
鉢巻バンギラスと合わせてこのPTでの火力ソースです。バンドリ構成で強烈に引き付けるローブシン,キノガッサ選出を処理するために動かします。
技構成は流星群とトリックを確定として、先述のバンギラスが控えめHCスイクンを突破出来ないためこのラティオスで突破するために草結びを採用しました。この草結びでカバルドンやバンギラスなども処理可能です。残りの1枠を寝言にするかで迷いましたが、バンドリ以外の構成は比較的キノガッサに強めであり、立ち回り次第で解決できることから寝言を抜いて置き土産を採用しハッサムやドリュウズ、スイクンなどの起点作りもこなせるようにしました。また、後述のゴツメボルトロスとの兼ね合いからゴツメダメ+流星群でかなりの相手が確定圏まで入るため、ラティハッサムボルトの選出も多用します。参考程度に、流星群でC-2の状態からマルチスケイルカイリューに流星群を撃つと起点にはされますが、ハッサムのジュエルバレットパンチやドリュウズのアイアンヘッドの確定圏まで入っているため処理は楽に出来るでしょう。

■ハッサム
突破性:
・H167B115カイリューをジュエルバレットパンチで(52.7%~62.9%)
・H183B115ガブリアスをA+2ジュエルバレットパンチで乱数1発(12/16)
・H185B81ドリュウズをジュエルバレットパンチで(33.5%~39.5%)
耐久性:
・C182ラティオスの眼鏡流星群を1.5発乱数耐え(85%)
・C177ボルトロスのジュエル10万ボルトを(75.1%~89.3%)
・A211ローブシンの鉄の拳珠冷凍パンチを(23.1%~26.6%),同ドレインパンチを(69.2%~81.7%)
・A204カイリューのA+1ジュエル逆鱗を(76.3%~89.9%)
・A182ガブリアスのA+2ジュエル逆鱗を(90.5%~107.1%)
竜技などの軽いクッションとして扱いながらラティハッサムサイクルを回す上で遂行速度を意識したハッサムです。
ラティオスのトリック置き土産などから起点が作れA+2ジュエルバレットパンチでかなりの範囲が確定圏に入ります。PT全体としてナットレイが重たいので寝言を切って馬鹿力を採用。馬鹿力を採用するとドリュウズを対面で処理出来るなどの器用な立ち回りを展開出来ます。流星群でC-2状態となったラティオスの流星群からバレットパンチでカイリューを落とす立ち回りが可能となるのは鋼のジュエルのメリットと言えるでしょう。

■ボルトロス
突破性:
・H177D108ハッサムに10万ボルトで(47.5%~55.9%)×2+ゴツメダメで確定
・H207D136スイクンに10万ボルトで(60.9%~72.5%)
・H183D106ガブリアスにめざめるパワー(氷)で(85.2%~102.7%)+ゴツメダメで確定
・H167D120マルチスケイルカイリューにめざめるパワー(氷)で(41.9%~50.3%)
・H173D100ボルトロスに10万ボルトで(48.8%~58.1%)乱数2発(97.25%)
・H185D86ドリュウズにめざめるパワー(氷)で(26.5%~31.4%)
・H155D130ラティオスにめざめるパワー(氷)で(42.6%~50.3%)
耐久性:
・A182ガブリアスのストーンエッジを高乱数耐え(1/16)
・A200ガブリアスの逆鱗を確定耐え(84.0%~99.4%)
・C177ボルトロスのジュエル10万ボルトを確定耐え(84.0%~99.4%)
・C142スイクンのジュエルハイドロポンプを高乱数耐え(1/16)
・A200ハッサムの鉢巻蜻蛉返りを(36.7%~43.2%)
・A200ハッサムの鉢巻電光石火を確定2発耐え(42.0%~49.7%)
・A211ローブシンの鉄の拳珠ドレインパンチを高乱数2発耐え(16.23%)(43.2%~50.9%)
対レパルダス構築やボルトガブ構成、ラティハッサム構成などに出してゴツメのスリップダメージを稼ぐサイクル志向のボルトロスです。ゴツメボルトロスとして扱うからには対スカーフガブリアス性能を確保しつつ、またボルトロス対面でも一方的に処理されないためにジュエル10万ボルト耐えを施すことは必須に近く、火力はゴツメダメと合わせて整える方針で調整しました。
技構成は挑発電磁波でレパルダス構成やボルトガブ構成、キノガッサなどにも隙を見せないためにゴツメボルトロスのテンプレをそのまま使いました。
カイリューの処理についても、めざめるパワー+ゴツメダメ+ジュエルバレットパンチで確定圏に入ります。

■スイクン
突破性:
・H207D90ローブシンまでC+1ハイドロポンプで確定1発
・H215D119カバルドンがハイドロポンプで高乱数1発(13/16)
・H155D130ラティオスがC+1冷凍ビームで高乱数1発(14/16)
・H167D120カイリューがC+1冷凍ビームで高乱数1発(14/16)
・H177D108ハッサムがめざめるパワー(炎)で確定1発
・H181D165ナットレイがC+1めざめるパワー(炎)で高乱数1発(15/16)
・H151D115キングドラがC+1冷凍ビームで(57.0%~66.9%)
・H197D143ニョロトノがC+1雨ハイドロポンプで高乱数2発(97.25%)(49.2%~57.9%)
・H155D92キノガッサが冷凍ビームで高乱数1発(10/16)
耐久性:
・A211ローブシンの鉄の拳珠ドレインパンチが(57.7%~69.1%)
・A211ローブシンの鉄の拳珠マッハパンチが(31.4%~37.7%) 両方合わさると62%の中乱数耐え
・A182マンムーの地震が(43.4%~51.4%)
・C182ラティオスの眼鏡流星群がD+1状態で(61.7%~72.6%)
・C161キングドラの眼鏡流星群がD+1状態で(53.7%~64.0%),C-2状態で(27.4%~32.6%)
・C177ボルトロスのジュエル10万ボルトがD+1状態で(80.0%~96.0%)
このPTでの隠れた火力ソース珠瞑想スイクンです。上記の数値をご覧頂ければお分かりになるかと思いますが、珠スイクンで瞑想を1回積むとこのように素晴らしい突破性を得ることができます。反面耐久値を捨てているため非常に繊細な扱いを要します。バンギラスと同じように重戦車型の動かし方で遂行速度を意識しました。クレセリアや瞑想スイクンは元からダメージが入っていなければ逆に起点にされてしまうため、PT全体のサイクル戦で削る他はありません。


○選出例

■対面構築
CASE1 ボルトハッサムガッサスイクン(マンムーカイリュー)
・ボルトロス/ハッサム/スイクン
・ボルトロス/ハッサム/ラティオス
CASE2 同(ガブウルガ)
・ボルトロス/バンギラス/ドリュウズ
・ボルトロス/スイクン/ラティオス
CASE3 同(バンギガブ)
・ボルトロス/バンギラス/ドリュウズ
・ボルトロス/ハッサム/ラティオス
CASE4 同(バンギカイリュー)
・ボルトロス/ハッサム/スイクン
・ボルトロス/ハッサム/ラティオス

■ボルトガブ構成
CASE1 パルガッサスイクンバンギ
・ボルトロス/ハッサム/ラティオス
・ボルトロス/ラティオス/ドリュウズ
CASE2 パルハッサムカイリュー+ウルガorシャンデラ
・バンギラス/ドリュウズ/ボルトロス
・バンギラス/ラティオス/ハッサム

■カバドリ構築
CASE1 ラティハッサムウルガスイクン
・バンギラス/ドリュウズ/スイクン
・スイクン/ラティオス/ドリュウズ
CASE2 ラティウルガナットカイリュー
・ラティオス/スイクン/ドリュウズ
・ラティオス/ハッサム/ドリュウズ

■ニョログドラ構築
CASE1 マンムーカイリューハッサムガッサ
・ハッサム/ラティオス/スイクン
・ドリュウズ/バンギラス/ボルトロス
CASE2 霊ランドラッキークレセ
・ボルトロス/バンギラス/ラティオス
・ボルトロス/ラティオス/ハッサム

■キュウクレセ構築
CASE1 ボルトガブテラキグロス
・バンギラス/ドリュウズ/ラティオス
・ボルトロス/バンギラス/ドリュウズ
CASE2 ボルトガブラッキーハッサム
・ボルトロス/バンギラス/ドリュウズ
・ボルトロス/ラティオス/ハッサム

■ノオーガブ構築
CASE1 サンダーブシングロススイクン
・ボルトロス/バンギラス/スイクン
・ラティオス/ハッサム/スイクン
CASE2 トドサンダードランブシン
・ラティオス/バンギラス/スイクン

■受けループ構築
CASE ラッキーグライムドバンギガッサスイクン
・ボルトロス/ハッサム/バンギラス

■レパルダス構築
CASE1 ボルトガブウルガ
・ボルトロス/バンギラス/ドリュウズ
CASE2 カバドリラティ
・ボルトロス/ドリュウズ/スイクン


2013年3月11日月曜日

【シングル】アイディア紹介 Ⅲ

新しく考えた個体を紹介します

カビゴン

実数値:264-135-85-76-177-50
努力値:228-32-0-0-244-0
特性 :くいしんぼう
持ち物:イバンのみ
技  :おんがえし/はらだいこ/みがわり/じばく
突破性:
・H209B141クレセリアの身代わりを恩返しで確定破壊(27.8%~33.5%)
・H172B96ボルトロスまで恩返しで確定2発(50.6%~59.9%)
・H155B101ラティオスを恩返しで確定2発(54.2%~63.9%)
・H151B115キングドラをステロダメ+自爆で確定1発(88.1%~104.0%)
・H207B160スイクンまで腹太鼓後恩返しで確定1発(100.0%~117.9%)
・H187B162メタグロスまで腹太鼓自爆で確定1発(100.0%~118.2%)
・H207B147バンギラスまで腹太鼓自爆で確定1発(100.0%~117.4%)
耐久性:
・C177ボルトロスの10万ボルトを身代わりが確定耐え(20.5%~24.2%)
・C142スイクンのハイドロポンプを身代わりが90%の確率で耐える(20.8%~25.0%)
・C182ラティオスの眼鏡流星群を(46.6%~54.9%),2発目(23.1%~27.7%)
・C161キングドラの眼鏡雨ハイドロポンプを(52.3%~61.7%)
・A182ガブリアスのジュエル逆鱗を確定耐え(82.2%~97.0%)

現在猛威を振るうボルトロスとスイクンという、起点にするのが難しい相手を起点にしてしまうカビゴンのアイディアです。
ボルトロスの10万ボルトとスイクンのハイドロポンプを身代わりが耐えるため、腹太鼓後に身代わりを残しながら恩返しで落とし、2匹目を自爆で落とす2:1交換の立ち回りが可能となります。
最大の長所はボルトロスに対して数値面で強く、かつ自爆で電磁波身代わりの起点を回避できる点でしょう。
HD身代わりカビゴンの応用例としてはシルクのスカーフを持たせて恩返しをのしかかりにすれば同等の火力を持ちながら追加効果が期待出来ます。