2017年1月17日火曜日

【シングル】ミミドサイトリパ -スイッチトリル軸対面構築

第7世代シーズン1の終盤はこの構築の研究に費やした。

■ビルダー
・van

■プレイヤー
・泡沫  
最高2129(中間5位) 構築記事
・ちびすけ  
最高2090(メインサブ2000超え) 構築記事

■アドバイザー
・るどるふ
・せつない
・あざむき
・へるぴん
・ふぃあぽけ




■ガルーラ@ガルーラナイト/肝っ玉
・211-176-132-*-121-127
・ブレイククロー/地震/不意打ち/岩石封じ
備考
・岩石封じで1回竜舞後の最速メガボーマンダ抜き
・岩石封じでスカーフ最速ガブリアス抜き
・C147カプ・コケコのエレキフィールド下電Z10万ボルトを87%(15/16)耐え
・A167カプ・コケコのエレキフィールド下電Zワイルドボルトを65%(11/16)耐え
・A161パルシェンの殻破り後(A+2)氷柱針1回分のダメージ幅(16.1%~19.9%)、つまり急所無しで5回分確定耐え

■ゲンガー@ゲンガナイト/呪われボディ
・159-*-102-210-123-181
・シャドーボール/鬼火/トリックルーム/道連れ
備考
・A191マッシブーンの地震を65%(11/16)乱数耐え
・C191メガゲンガーのシャドーボールを70%(12/16)乱数耐え
・H167D115メガゲンガーをシャドーボールで確定1発
・最速メガルカリオ抜き

■カプ・コケコ@電Z/エレキメイカー
・145-167-94-116-95-200
・ワイルドボルト/マジカルシャイン/電光石火/挑発
備考
・H211B121メガガルーラをエレキフィールド電Zワイルドボルトで82%(13/16)で1発撃破
・H203B124テッカグヤをエレキフィールドワイルドボルトで確定1発撃破
・H183D106ガブリアスをマジカルシャインで確定2発撃破
・H145B105カプ・コケコをエレキフィールド電Zワイルドボルト+電光石火で確定撃破

■テッカグヤ@拘りスカーフ/ビーストブースト
・173-150-123-115-124-124
・ヘビーボンバー/地震/大文字/大爆発
備考
・ヘビーボンバーでB4振りガブリアスを92%2発撃破
・大文字でH177D121メガハッサムを47%(7/16)1発撃破

■ドサイドン@岩Z/ハードロック
・211-211-154-*-76-68
・地震/ロックブラスト/岩石砲/剣の舞
備考
・A194メガガルーラの地震を86%2発耐え
・C187+1ポリゴンZの冷凍ビームを65%(5/16)耐え
・剣の舞後(A+2)岩Z岩石砲でH191B156ポリゴン2確定撃破
・剣の舞後(A+2)岩Z岩石砲でH201B244メガヤドランを82%(13/16)で撃破
・S68+2=S136、S135-2=S67

■ミミッキュ@気合の襷/化けの皮
・130-156-114-*-125-135
・戯れ付く/鬼火/呪い/トリックルーム
備考
・呪い2回で自主退場出来るようにHPは偶数
・A161珠パルシェンの氷柱針を化けの皮込み急所以外確定耐え
・最速パルシェン抜き



◇解説

・構築概要
この構築の最も基本となるコンセプトは、最低2回の行動保証が確保された襷ミミッキュでトリックルームをして、呪いで自主退場してからドサイドンで岩Z岩石砲などを使って最大級の火力で残り3ターン以内に相手のポケモンを全て突破する一連のシステム化された動きだ。そのために先発で相手を1匹落としたり相手全体を荒らしてドサイドン展開の準備をしなくてはならない。つまり、先発のポケモンは行動保証と最低でも1匹を落とせる対面性能に優れるポケモンでなくてはならない。そしてミミッキュ+ドサイドンの並びで襷とZを消費しているため、先発は必然的にメガシンカとなり、そのため数あるメガシンカの中でも対面性能に優れるガルーラとゲンガーを採用している。
この軸の動きは現環境で猛威を振るうカプ・テテフ+パルシェンの並びなど、S上昇系の展開軸に対して非常に強い軸であり、環境最上位への対抗馬としてのポジション確立出来ると判断して研究した。


・個別解説

■メガガルーラ
前作から大幅な弱体化を受けたとは言え、ノーマル単タイプという弱点の少なさと高い耐久値と親子愛で2回攻撃出来る高い攻撃性能が相まって数あるメガシンカポケモンの中でもまだまだ最上位級の性能を発揮できる。そう言った単体の性能を存分に発揮出来るのが、高い対面性能を活かした先発型と控えの終盤ストッパーである。今回は先発型を意識した技構成にして対面性能を活かし、また終盤のストッパーとしても十分機能するようにHBに多く努力値を振った。
ブレイククローは相手がポリゴン2などの中途半端な数値受けを繰り出してきた時やメガギャラドスなどの耐久の高いメガシンカ、テッカグヤなどのノーマル耐性を持つポケモンなどへの崩しの準備が出来るため、非常に重宝する。またメガボーマンダなどが竜の舞をしてきたときや、もともと相手にSが負けている時の対応筋を作るため岩石封じで2段階相手のSを下げて相手の上を取り続ける。残りは、ギルガルドやジバコイルなどノーマル耐性ポケモンに通り威力の高いサブウェポンとして地震を採用し、岩石封じでSが逆転することで殻を破ったパルシェンなどを氷の礫より先に攻撃して倒すため不意打ちを採用している。もともとブレイククローと不意打ちはカプ・テテフのサイコフィールドがなければ50%のB下降2回分と先制の不意打ちは相性が良い。不意打ちの枠に高火力のメインウェポンの捨て身タックルや30%の怯みを2回分押し付けられる岩雪崩なども候補に挙がったが、このガルーラで崩し切るよりも相手の展開への最大限のストッパー性能を意識して不意打ちを採用した。

■メガゲンガー
前作からの変更点は多く、メガシンカ前の特性が浮遊から呪われボディになって耐性が大きく損なわれたが、メガシンカターンに進化後のSが適用されるようになってむしろ強化されたと言っても過言ではない。この構築のコンセプトに合致するメガゲンガーは道連れでとにかく1:1交換して相手を残り2匹にしてミミッキュ+ドサイドンのトリックルームターン内に突破しやすくすることに集約される。そして今作の道連れは連続で使用すると失敗する仕様に変更になったことで、道連れでの1:1交換自体が成功しにくくなった。そのため初ターン道連れで相手にゲンガーが落とされなければ次のターンに優先度-7でほぼ後攻を取れるトリックルームで道連れ状態を残しながら相手に2回目の攻撃を当てさせて1:1交換の成功率を上げる動きが求めれる。そしてそのターンも相手がゲンガーを落とさなければ、次のターンから相手に先攻を取られるが、トリックルームが成功するため、後続のドサイドンの展開が成功し、ミミッキュを出す前にトリックルーム展開が実現する。そのため道連れとトリックルームの2枠を確定し、残りをミミッキュやメガハッサム、メガルカリオなどの物理展開と先制技を持つポケモンへの展開阻害として鬼火を採用し、そしてスカーフマッシブーンの地震など上からの奇襲をある程度耐えて、上からのHSメガゲンガーのシャドーボールを耐えて返しのシャドーボールで相手を落とす調整にし、道連れトリックルームに繋げるため控え目型にした。

■カプ・コケコ
こちらの記事で考察したせっかちASの電Zカプ・コケコが現環境に刺さっており、この構築の補完としても上手く機能することが判明したため、電光石火、挑発をサブウェポン枠につけて採用した。HA基調のメガガルーラや、フィールドを奪取されても大方の耐久カプ・テテフが突破圏に入ることから、電Zワイルドボルトの突破力がこの構築の補完として非常に重要になった。またこのカプ・コケコと後述のテッカグヤの補完関係が美しく、マジカルシャインとヘビーボンバーでちょうどガブリアスが突破出来ることが採用の決め手となった。またカプ・テテフなどの相手が発生させたフィールドを書き換えて襷まで削れたパルシェンへ電光石火を当てるなどの動きも重要であり、挑発と高い突破力を合わせて受けループなどの高耐久サイクル構築にも繰り出す想定で考案した。

■テッカグヤ
カプ・コケコやメガゲンガーを採用する場合、ガブリアスなどの地面タイプが非常に問題となるためそれへの解決手段を非常に悩んだ。その理由はテッカグヤが最も補完として美しいのだが、カプ・コケコとガブリアスの対面などで剣の舞をした場合、Z技まで考慮すればガブリアスはテッカグヤを容易に突破出来てしまうためだ。そこで、スカーフASテッカグヤのヘビーボンバーがガブリアスに丁度50%程度入ることに着目し、ガブリアス対面なら相手の剣の舞に合わせてヘビーボンバー2回で突破し更にビーストブーストでAを上昇させて後続への圧力をかけ、交代際の剣の舞だとしても相手がスカーフでないことが確定したことでヘビーボンバーによってガブリアスを削れば後続のカプ・コケコのマジカルシャイン圏内に入るといった対処方法で解決を図った。その後、スカーフテッカグヤの奇襲性能も相まってカプ・テテフに対して楽な勝ち筋の創出にも成功している。

■ドサイドン
この構築コンセプトのメインアタッカー。トリックルームから展開した時の制圧力は凄まじく、岩Z岩石砲は意地ASシルヴァディの大爆発以上の火力指数を叩き出す。そして剣の舞まで合わせるとメガヤドランでも1発圏内に入り、文字通り受かるポケモンが存在しない。そうした超高火力重戦車型ポケモンをトリックルームから効率よく展開するため耐久値はH振りでメガガルーラの地震2発耐えのラインを確保している。そして少しSを上げてトリックルーム展開が躊躇われるガラガラやオニシズクモ、クワガノンなどの無振りSを抜けるように設定しつつ、ガルーラの岩石封じからの後続展開によって、岩石封じ1回でS135ライン、2回でS200ラインに対して先に攻撃できるように定めた。またロックブラストの採用により、多少運は絡むが身代わりを張ったテッカグヤやオニゴーリなどの解決手段にもなり得る。ただし、実戦ではトリックルーム展開からの守る+身代わりの連打により剣の舞とロックブラストの択合わせが非常にシビアとなり外せば劣勢確実となるのが惜しい点である。

■ミミッキュ
気合の襷採用により、化けの皮と合わせて2ターンの行動保証が可能となる正にトリックルーム始動役として最も適する性能を持つ。そしてトリックルーム後に呪いで素早く自主退場してトリックルームターンを残り3ターンにしてドサイドンに繋げ、呪いダメージでドサイドンでの1発圏内に入れる動きが非常に強力。ウェポンは戯れ付くとして、メガギャラドスやメガボーマンダ、ガブリアス、メガガルーラなどへ最低限の打点を確保し、鬼火によって連続技を使う意地AS珠マンムーや陽気ASパルシェンなどへも解決出来るようにした。基本的なミミッキュ+ドサイドンの動きかたは、先述の通り一度メガシンカで場を荒らして素のドサイドン展開で1匹落としてから切り返しにミミッキュを出してトリックルーム、そして残り3ターンで再びドサイドンを展開してフィニッシャーとして扱う。この動きが多発するためミミッキュの襷が外せず、現環境で最上位格のカプ・テテフ+襷パルシェンの軸と両立が不可能になった。そのため構築段階でカプ・テテフ+パルシェンとの両立を何度も検討したが、結局この軸とはどうしても合成できなかった。


・選出解説

■ガルーラ/ドサイドン/ミミッキュ
この構築で最も基本となる選出。対面性能の高いメガガルーラを先発にして、岩石封じで相手のSを下げながらブレイククローを通すなど、死にだしドサイドンの準備をする。その後ドサイドンを展開して相手を縛り、1匹を岩Z岩石砲などで落としてから一度ミミッキュに引いてトリックルームで切り替えしてから再度ドサイドンで勝負を締めくくる。
この選出の妨げとなるポケモンは、キングシールドを持つギルガルドと守るや草技を持つテッカグヤとジバコイル、ガブリアスなどの地面と岩への補完ポケモンが相手の構築に同居していると、この選出では非常に厳しい戦いとなる。逆に、それ以外のグッドスタッフなどは楽にこの選出が出来れば大凡勝てると言って良い。

■ゲンガー/ドサイドン/ミミッキュ
先述したガルーラ/ドサイドン/ミミッキュ選出で難しいメガルカリオやマッシブーンなどが入った構築や雨パにはこちらで選出する。ゲンガーでもトリックルーム展開が成功するときがあるのと道連れの数的有利の取りやすさがあるため、レートなどの上位者との対戦ではこちらの選出が多くなった。殆どの相手に道連れから入って相手の出方次第でトリックルームや鬼火、祟り目などを選択してドサイドン展開の準備をする。

■テッカグヤ/ガルーラ/ドサイドン
カプ・テテフ/パルシェン/ガルーラ又はボーマンダの現環境最強と目される選出への完全解答選出。スカーフテッカグヤでカプ・テテフを倒し、Aをビーストブーストしてパルシェンを2発確定にして6割り程度削り、2回以上破らせずにメガガルーラで氷柱針を耐えながらパルシェンを処理して相手の最後のメガガルーラやメガボーマンダをドサイドンの岩Z岩石砲で突破して勝つ。この選出は机上論上カプ・テテフ+パルシェンへのメタ選出として非常に強力に機能する。

■カプ・コケコ/テッカグヤ/ガルーラ
相手がガブリアス+テッカグヤの並びを採用していたり、カプ・コケコの刺さり具合が良かった場合の選出。カプ・コケコとテッカグヤの補完関係で制圧してガルーラのフィニッシャー対面能力で締めくくる。

■ゲンガー/テッカグヤ/ドサイドン
相手のゲンガーが重たかったりするときはゲンガーを少なくとも1:1交換出来てトリックルームからドサイドンを展開出来る駒として扱う。テッカグヤは補完でガブリアス、ハッサムなどのケアを担当する。

■ゲンガー/ガルーラ/ドサイドン
相手のギルガルドの処理とドサイドン+ミミッキュ展開の両立が難しいと判断した場合の最終手段。先発のギルガルドを素のゲンガーで道連れしてドサイドン、ガルーラで勝負を決める。もちろん、ガルーラをゲンガーと1:1交換するための駒と扱ってメガゲンガーで道連れトリックルームしてドサイドンで締めくくる逆の展開もある。

■カプ・コケコ/ゲンガー/ドサイドン
主に受けループなどの高耐久サイクル構築への選出。Z技2枠採用であるが、どちらかで相手のサイクルが崩壊すれば勝てるためこの選出をする時がある。

■カプ・コケコ/ガルーラ/ミミッキュ
主にイーブイバトン構築などへの選出。カプ・コケコで先発の起点作りを処理して、メガガルーラで岩石封じ、ブレイククローを連打し、イーブイバトン展開を阻害してバトン先のランク上昇を抑える。そうするとアシストパワーの火力も下がり、ガルーラで受かる様になる。ミミッキュは展開が成功してしまった時のための切り返し手段。呪いはバトン先へ継続されるためガルーラに切り返して勝てるようになる。


以上、この構築案を採用してここまで実戦的な形へ磨き上げてくれた協力者達全員に多大な感謝を送り最後とさせてもらう。

第7世代シーズン1お疲れ様でした。