10月12日より始動したポケモン第6世代XY環境。
今年の12月23日にポケムーバーが解禁されることが公表されており、約2ヶ月弱のXY初期環境も後半戦に入った。
そこで今日までに参加したオフライン対戦会、ランダムマッチのレーティング戦の結果を踏まえつつXY初期環境上半期に使用したPT構築を公開することにした。
このPTでの主な戦績
ランダムマッチレーティングバトルS1最高3位(レート2124)
北大阪オフ予選4-2・1位抜け・ベスト8
京大カップ予選4-2・1位抜け・ベスト4
◯個別詳細
◆バンギラス
・持ち物:メガストーン
・実数値:175-204-131-*-120-113(AS振り)
メガシンカ後実数値:175-237-171-*-140-123
・特性:すなおこし→すなおこし
・技
(レートS1初期仕様):ストーンエッジ/かみくだく/かわらわり/りゅうのまい
(レートS1中期仕様):ストーンエッジ/かみくだく/ちょうはつ/りゅうのまい
(北大阪オフ仕様):ストーンエッジ/かみくだく/こおりのキバ/りゅうのまい
(京大カップ仕様):ストーンエッジ/じしん/こおりのキバ/りゅうのまい
・ダメージ計算
突破性
A+2嚙み砕くでH183B116ガブリアスが確定1発
A+1地震でH167B170シールドギルガルドを64.8%の乱数1発
A+1地震でH175B171メガバンギラスを41.4%の乱数1発
耐久性
A182ガブリアスの地震で残りHP69.7%~83.4%
A200ガブリアスの地震で残りHP76.6%~90.3%
A182ガブリアスの珠地震で47.2%の乱数1発
A171ギルガルドの聖剣+影打ちで13.2%の乱数1発
A197+2メガルカリオのバレットパンチで残りHP80.0%~96.0%
・解説
メガシンカすることで砂天候を最長10ターン維持でき、メガシンカ後は前作のマルチスケイルカイリューのように強引な積みも可能となる。さらに元々の種族値からメガシンカしない択も取ることが出来、同様にメガシンカ自体に択を持つガブリアスとの相性が良い。以上のダメージ計算から、ステルスロックと非常に相性が良いが今回のPTではステルスロックの枠を確保することが出来なかった。耐久性からはHS振りでも活躍を期待できる数値が出ているため、今後メガバンギラスの調整が考察されることだろう。
技構成について、現状最も汎用性が高いのは京大カップ仕様だが、プレイングで2舞を確保できたり受けループ全体に回答を持たせたいならばレートS1中期仕様が推奨される。地震の理由については、以上のダメージ計算をご覧の通り風船ギルガルド以外には1舞から嚙み砕くよりも安定した択を用意できる他、岩+地面の有効範囲、非接触技であることやS183であるため1舞から先に攻撃できるメガルカリオに対する打点確保も兼ねている。
相性補完としては、相手のファイアローを受けること以外は安定しない。そのため、プレイングで如何に良対面を作るかが重要でありプレイヤーの裁量依存度の高いポケモンであることが伺える。
◆ガブリアス
・持ち物
(レート仕様):いのちのたま
(北大阪オフ、京大カップ仕様):メガストーン
・実数値:183-182-116-*-105-169(AS振り)
メガシンカ後実数値:183-222-136-*-115-158
・特性:さめはだ→すなのちから
・技
(レート仕様):ドラゴンダイブ/じしん/ストーンエッジ/つるぎのまい
(北大阪オフ、京大カップ仕様):げきりん/じしん/ストーンエッジ/つるぎのまい
・ダメージ計算
突破性
A182珠地震でH167B170ギルガルドを70.7%の乱数1発
A222地震でH167B170ギルガルドを41.4%の乱数1発
A222砂の力地震でH167B191(A182珠一致地震確定耐え)ギルガルドを確定1発
A222+2砂の力地震でH202B178ヤドランを47.2%の乱数1発
A222+2逆鱗でH179B151グライオンを確定1発
耐久性
A161パルシェンの珠礫で残りHP76.5%~94.0%
A182マンムーの礫で残りHP67.8%~80.9%
C120ヤドランのれいBで残りHP78.7%~94.0%
・解説
北大阪オフ時に珠をギルガルドと取り合った末にメガガブリアスを採用することで決着を付けたところ、メガシンカ後の耐久が思いの外役に立ちこのポケモンのメガシンカ自体が読まれにくく、S169を残しながらのメガシンカから攻撃するスタイルが強力だった。しかし、各種ダメージ計算上はあまり使い勝手の良さそうでない数値が出てきてしまうため、これも本来は砂ダメやステロと合わせたダメージ確保を図るポケモンだと分かる。大まかな耐久性は通常のB4振りガブリアスがちょうど確定落ちになる技を確定耐えする程度のダメージライン。よって、メガシンカするタイミングを合わせて相手のダメージ計算をズラすプレイをすると効果的だろう。
蛇足だが、メガガブリアスは意地っ張りHA、若しくは勇敢最遅でトリパなどに組み込むと面白いことがダメージ計算中に分かった。
◆ギルガルド
・持ち物
(北大阪オフ仕様):いのちのたま
(レート、京大カップ仕様):ふうせん
・実数値
(シールド):167-71-170-112-170-72(HC振り)
(ブレード):167-171-70-222-70-72
・特性:バトルスイッチ
・技
(レート、北大阪オフ仕様):かげうち/シャドーボール/せいなるつるぎ/キングシールド
(京大カップ仕様):かげうち/シャドーボール/ラスターカノン/キングシールド
・ダメージ計算
突破性
H167D170ギルガルドにC222珠シャドボで47.2%の乱数1発
H183B116D105ガブリアスにC222珠シャドボ+A171珠影打ちで57.4%の乱数2発
耐久性
A182ガブリアスの地震で残りHP73.1%~87.4%
A200ガブリアスの地震で残りHP80.2%~94.6%
・解説
対面性能良さ、また下記のサザンドラとの相性補完関係が非常に優秀であるため採用。今作のゴーストタイプの技は非常に一貫性が高く、鬼火や威嚇で威力が下がらない特殊ゴースト技は前作の物理竜技と同程度の一貫性を持つ。そのためHC珠シャドーボールを連発出来ることが魅力的に思えたため珠ギルガルドを採用した。しかし、実戦では相手のH振りギルガルドやB4振りガブリアスに対する打点としては不安定であり、これもステルスロック採用でダメージ調整する必要があった。それに加え、対ガブリアスで択しか残らないPT構成なため、京大カップでは風船を持たせることでガブリアスに対する択を減らすことにした。対受けループを考える上で数値的には有効打を連発できるため選出上の圧力となる。
今後は珠ガブリアスの地震耐えなど耐久型のギルガルドが普及する可能性が高いことやメガネギルガルドも数を増やすことが予想される。
◆サザンドラ
・持ち物:こだわりメガネ
・実数値:167-*-110-177-110-165(CS振り)
・特性:ふゆう
・技:りゅうせいぐん/あくのはどう/だいもんじ/ラスターカノン
・ダメージ計算
突破性
C177眼鏡流星群でH157D128ロトムを82.4%の乱数1発
C177眼鏡悪波でH187D141フシギバナを57.4%の乱数2発
耐久性
A146ファイアローの鉢巻ブレバで残りHP80.8%~95.8%
C155ゲッコウガのれいBで17.9%の乱数1発
C182ゲンガーの気合玉で41.4%の乱数1発
・解説
上記のギルガルドとの相性補完が優秀であり、ロトム、グライオン流しと役割性能の高さから臆病眼鏡で採用。本来ならばラティオスにしたい枠であるが、現環境では未解禁なためサザンドラで代用した。技構成は流星群悪波大文字までは確定するが、残りの枠がなかなか決まらないでいた。候補に上がったのは気合玉とラスターカノンと蜻蛉返り。その中で気合玉は全くと言っていいほど使わなかったのと蜻蛉返りで微々たるダメージを与えるよりもラスターカノンで役割性を上げたほうが良いと判断。眼鏡ボーマンダも考えたが、電気の半減が欲しいのと臆病では水ロトムを乱数でしか落とせないためサザンドラとした。しかし、やはりこのポケモンは選出率こそ高かったが対ガブリアスやガルーラ、バシャーモ、ルカリオなどに薄い構成にならざるを得なかった。
また、臆病眼鏡サザンドラはH振りギルガルドを悪波で落とせないことも注意すべきだろう。
◆ファイアロー
・持ち物
(京大カップまでの仕様):こだわりハチマキ
(推奨する仕様):いのちのたま
・実数値
(京大カップまでの仕様):153-146-91-*-89-178(AS振り)
(推奨する仕様):153-133-91-*-89-195
・特性:はやてのつばさ
・技
(京大カップまでの仕様):ブレイブバード/フレアドライブ/とんぼがえり/ねごと
(推奨する仕様):ブレイブバード/フレアドライブ/おにび/おいかぜ
・ダメージ計算
突破性
H187B192メガフシギバナにA146鉢巻ブレバで残りHP83.4%~99.5%
H183B116ガブリアスにA146鉢巻蜻蛉+ブレバで93.8%の乱数2発
H145B108メガルカリオにA146鉢巻ブレバで76.5%の乱数1発
耐久性
A197メガルカリオの神速で残りHP43.1%~51.0%
A172メガクチートの不意打ちで残りHP74.5%~88.2%
・解説
マリルリ+ファイアローのコンビネーションは強く、フシギバナや耐久の薄いポケモンに強い駒として採用したが、このPTでは鉢巻よりも上記のように珠で補助技を絡めて運用するほうが良かった。こうすることでガブリアスやバンギラスに択を強いることなく比較的安全な行動をすることが出来る。また、おいかぜは上記のメガガブリアスと合わせることを想定している。
選出としてはマリルリ+ファイアロー以外にもバンギラス+ガブリアス+ファイアローなどの選出が多かった。
このPT構成上、どうしても外せない枠ではあるため考察が遅れたことが悔やまれる。
◆マリルリ
・持ち物:オボンのみ
・実数値:204-112-100-*-100-74(HA基調)
・特性:ちからもち
・技:アクアジェット/じゃれつく/かわらわり/はらだいこ
・ダメージ計算
突破性
A112+6力持ち瓦割りでH164B157クレッフィが88.2%の乱数1発
A112+6力持ちアクアジェットでH183B116ガブリアスが70.7%の乱数1発
A112+6力持ちアクアジェットでH181B120ガルーラが64.8%の乱数1発
耐久性
A182ガブリアスの地震でオボン込み確定3発
A237+1メガバンギラスのストーンエッジで88.2%の乱数1発
・解説
サザンドラを初手に据えるときの後続として優秀であり、壁構築に対するメタを腹太鼓+瓦割りで用意した。選出率は高めであり、バンギラス+ガブリアス+マリルリで一直線のプレイをするときもあった。
ステータスの調整は、腹太鼓時に即オボン発動を図るためHは偶数で204とし、同族や冷静6Vギルガルドなどを抜くためのS74を確保。
これとファイアローの組み合わせで壁バシャガルーラに薄いメタを張っている。
しかし、このPTの運用の仕方では鉢巻の方が理に適っていたようにも感じ、その場合はステータスはそのままで技を
アクアジェット/じゃれつく/瓦割り/捨て身タックルorアクアテール
にすると良いだろう。
◯総評
全体的に乱数処理と択処理が多く非常に不安定なPTである。よって構築としての完成度自体は低いだろう。
しかしプレイヤーの裁量に依存する点が多く、全ての要素が良い方向に噛み合えば現環境での対応範囲は非常に広いと考えている。
そのため、想定以上の戦果が出たものだと考察できるが、今後もこのPTで勝ち続けることは容易ではないと予想され、今回このPTを使って集めたデータを次のPT構築の完成度に寄与させたい。
ここでこのPTに至った経緯を多少説明しておく。
当初の構想段階でメガバンギラスと珠ガブリアス+ギルガルドとマリルリ+ファイアローまではレートで試行錯誤中にスタンとしての相性の良さが判明していたため、全体の持ち物、技配分をどうするかが課題であった。
最初はメガガルーラを採用することでロトムなどをゴリ押す手段を取っていたが、不安定であり鬼火のケアやグライオンを流せる駒がなかったことなどが原因で眼鏡竜を採用する方針に変更した。
そこで臆病眼鏡ボーマンダと臆病眼鏡サザンドラが候補に上がり、よりロトム入りのダメージレースに強いサザンドラに決まった。
ここで全体の持ち物と技配分がほぼ決まりつつあったが、ギルガルドの持ち物だけがどれも一長一短で長い考察期間を要した。
最終的に風船に決まったものの、火力が欲しいPTでもあるためやはり珠か眼鏡が妥当だろうか。
そして珠をギルガルドに渡すと珠の火力が前提のガブリアスの持ち物をどうするかで非常に悩んだ。一時期は鉢巻ガブリアスも考えたが、このPTは受けが薄いため鉢巻ガブリアスの択に負けただけでダメージレースで負け確になる場面も多く、採用には届かなかった。そこでSが落ちるのがネックではあるが珠と同等の火力を確保できて打ち分けと耐久強化出来るメガガブリアスにすることで決着を付けた。
技構成については、当初ドラゴンダイブで打ち分けたのが強かったためドラゴンダイブのままレーティングを続けたが、高レートになると負けられない試合で負ける要素を引くことが多く、仕方なく逆鱗に変更した。
ここまで来ると残りは自分の立ち回りに応じた微調整だが、そこでも長い間悩み続けた。まず、大きくブレたのはバンギラスの技構成。当初は壁も採用する方針で組み始めたためバンギラスの2舞想定の嚙み砕くが有効だったが、壁を考えずに使うと2舞するタイミングはなかなか確保出来ないため、まずは氷の牙が入ってきた。
そして嚙み砕くが直接攻撃であることとギルガルドに対する択処理が不安定であるため地震に変更せざるを得なかった。
最後に、京大カップでの敗因でファイアローの構成ミスがある。このPTはメガバンギラスの竜舞後をケアできるポケモンが殆どいないためファイアローでバンギラスを呼んだ後に鬼火や追い風で処理ルートを確保しておくことが必要だった。
12月23日までの環境で、今後は耐久調整されたギルガルドやトリパ、ステロ吠える主体のPTなどが増えると予想される。
そういった環境変遷の中で、こうのようなスタンダード構築は微調整のみで運用を続けられるという点では安定していると言えるのだろうか。
以上
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